国務院はこのほど、傅瑩・駐英国大使を外交部副部長(外務次官)に任命した。1974年の王海容氏に続く、中国で2人目の女性外務次官の誕生だ。「中国新聞網」が伝えた。
傅氏は現在57歳でモンゴル族出身。北京外国語学院英語学部を卒業後、英ケント大学大学院修士課程で国際関係学を学んだ。中国初の少数民族出身の女性外交官として、駐フィリピン大使、駐オーストラリア大使などを歴任した。読書や芸術を趣味とするほか、ゴルフやテニスなどスポーツも楽しむ。夫のカク時遠氏は民族学者で、中国社会科学院民族学・人類学研究所の所長。
2008年3月にラサで暴行・破壊・略奪・殺害・放火の暴力事件が発生し、続いて一部の「チベット独立」分子が中国の駐英大使館を襲い、北京五輪のロンドンでの聖火リレーを妨害して以来、英国の一部メディアが一方的に中国を歪曲する報道を行ったことは記憶に新しい。この時、傅氏は駐英大使として、英国の政界、実業界、学会、報道界を東奔西走し、英国の主流メディアの取材に応じ、また文章を発表することで、真実の中国とチベット問題の背後の真相を、自らの言葉で英国の民衆に紹介した。
傅氏は英紙「サンデーテレグラフ」への寄稿記事「もし西側が中国に耳を傾けることができたら」で、ロンドンとパリで聖火リレーが妨害された時の自らの心境を、細やかかつ感性ある筆致で綴り、チベットの社会・経済発展の現状を、数字や事実を挙げて紹介することで、中国への理解が元々不足していた西側の少なからぬ読者の心を動かした。
「人民網日本語版」2010年1月5日