温家宝総理:所得格差の拡大は社会の安定を脅かす
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温家宝総理（中共中央政治局常務委員）は1日発行の雑誌「求是」に「社会事業の発展と民生の改善に関するいくつかの問題」と題する論文を発表した。この中で温総理は「合理的な所得分配制度は社会公平・正義の重要な体現だ。現在すでに所得分配問題は全力の解決を要する時期にきている。もし所得格差の拡大が続けば、経済成長や社会安定に影響する重大な潜在的リスクとなるに違いない」と指摘した。「中国新聞網」が伝えた。
また「改革開放以来、中国の所得分配制度には深いレベルでの変化が生じ、一律待遇と平均主義が打破され、労働に応じた分配を柱にさまざまな分配方式が併存する分配制度が構築された。ここ数年来、政府は一連の措置を講じて、都市部と農村部の住民、特に低所得層の所得引き上げに努力し、所得分配を積極的に調整した。これによって人々の生活は顕著に改善された」と指摘。（１）都市部と農村部の住民所得がおしなべて高まった（２）低所得層や困難を抱える人々の生活が重点的に改善された（３）所得分配制度改革が推し進められた----を挙げた。
さらに「所得分配制度改革が今なお遅滞していることに目を向けなければならない。主に、第一次分配に占める労働報酬の比重が低い、社会成員間の過度の所得格差、都市部と農村部の間、地域間、業種間の所得格差がいずれも拡大傾向にある、所得分配秩序が規範化されていない、といったことだ。これらの問題に対して人民大衆は大きな不満を抱いている。所得分配制度改革を加速し、過度の所得格差を段階的に解決し、都市部と農村部の住民所得水準をあまねく引き上げることは、消費刺激と内需拡大にプラスであり、安定した比較的速い経済成長を促進する。異なる集団間の利益関係のバランスを取り、社会矛盾を解消し、社会の安定と国家の長期安定を維持するうえでもプラスだ。われわれは経済成長を通じて社会の富という『パイ』を大きくするだけでなく、合理的な所得分配制度を通じて『パイ』をうまく切り分け、全人民が改革・発展の成果を享受できるようにしなければならない。これは科学的発展観の貫徹実施における要請であり、社会公平・正義の促進、社会主義調和社会の構築における要請でもある。現在、中国の経済・社会発展は良好であり、各方面の負担能力も高まっている。この問題を段階的に解決するための条件や能力を備えていると言えよう」と強調した。
「人民網日本語版」2010年4月2日
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