文=アンディー・パイストゥー
4月15日付の米紙ウオールストリート・ジャーナルは、「中国は壮大な宇宙開発目標を掲げた」と題する記事を掲載した。全文は以下の通り。
中国の有人宇宙計画における目標は、米国を追い越すことだ。最も早くて2016年に先進的な宇宙船及び軌道燃料補給システムを装備することにしているが、その時には米国の宇宙飛行士がロシアの宇宙船に搭乗するかも知れない。中国有人宇宙プロジェクト弁公室の王文宝主任は取材に応じた際、ますます壮大になる宇宙の探査への意気込みについて詳細に説明してくれた。
大学や政府の研究機関、製造部門で構成される膨大なネットワークに依存するため、20年になる前までに、中国は宇宙プロジェクトのなかった国から、宇宙においてリーダーシップを求める国へと成長していることだろう。
政府のしっかりした支援していることで、100以上の機構が有人探査プロジェクトに参入。中国は独立した宇宙空間探査の実現に力を入れているようであり、あるいは最も早くて今年の末には念願を果たすかも知れない。中国は今、軌道上で大宇宙船を組み立てられるよう、各種部品を宇宙に発射しているが、それは太陽系を深く探査するための唯一の方法である。数カ月後には米国のスペースシャトルはすべて引退するが、最も楽観的に予想したとしても、米国の国家航空宇宙局(NASA)は今後数年、ロシアに依存して米国の宇宙飛行士を国際宇宙ステーションに送らざるを得ない。
米国政府は、有人宇宙飛行における国際協力の拡大に期待を示している。NASAの責任者・ボードン氏は「他国との協力が必要だ。でなければ我々は火星に足を踏み入れるとはできず、月に再び戻ることもできない」と指摘する。
初めて西側の取材を受けた王主任は、16年までに、中国の宇宙飛行士が軌道上において宇宙船と貨物船とのドッキングを実現するとの見通しを示した。これは「長期の宇宙ステーション建設」の序曲であり、一旦完成すれば、宇宙飛行士は恐らく半年滞在することが可能だと言う。さらに、ボードン氏の訪中を展望した際、「北京は米国と様々な形の協力を模索したいと考えている」と述べた。宇宙における任務が「膨大な計画と予算を必要としている」ことを考慮すれば、各国が協力して宇宙空間を探査する必要があると指摘。王主任はまた、米中の宇宙飛行士が「現在、共同で宇宙飛行を行うことは可能だ」とも述べた。
王主任はコロラド州で開かれた国際宇宙シンポジウムで講演した際、中国の有人宇宙当局が先ごろ第1陣の飛行士を選抜したことを明らかにした。7人のうち2人が女性で、中国初の女性宇宙飛行士となる。中国は単に宇宙を民族の誇りを如実に示すものだけでなく、ビジネスや国の安全面においても極めて大きな優位性があると見ている。
中央政府の大規模な産業政策を制定する能力を十分に活用することで、中国の宇宙関連職員も現在、強い意気込みをもって一連の商業及び科学研究用衛星の打ち上げ準備をすると共に、月探査船の開発に当たっているところだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年4月22日