大連で改修中の空母「瓦良格」号
研究員として著名なマイクル・リチャーセン氏は5月10付けのシンガポールの英字紙「ストレーツ・タイムズ」(海峡時報)に論評を掲載し、中国海軍の経費激増と近代化、航空母艦の開発に対応したミサイルは、アジア太平洋の軍事的均衡を変えると指摘。
リチャーセン氏の論評「台頭する中国海軍は均衡を変える」は、中国海軍の過去の冷戦時代から最近の海岸警備隊よりやや強力なった武力は、近代化計画と3分の1を超す軍事予算をもとに、徐々に増強されてきたと分析している。
中国海軍も他の大国と同様、主に貿易ルートを保護し、相手を威嚇するために用いている。だが、中国海軍が他の大国と異なるのは、東南アジア諸国及び日本と主権の争いが生じている南中国海と東中国海など広大な海域と島嶼を支配下に置くことだ。
中国海軍はこの海域を支配下に置こうとしている。民族の自尊心からだけでなく、この海域には石油や天然ガス及び豊かな漁業資源が眠っており、世界の重要な航路でもあるからである。
中国は旧ソ連の空母を改修し、年内には空母操作訓練を終わらせ、2015年以降に自ら建造した空母を海上で航行させたいとしている。
米海軍情報局が昨年まとめた中国海軍に関する報告は、中国の空母計画は地球規模で武力を配置できる能力を確立することだ、記している。
だが、国営新華社の報道では、中国は世界を攻撃して回る海軍にするつもりはなく、中国の主権と領土保全を守り、海洋の権益と利益を確保することから海軍は防衛の範囲を黄海と東中国海、南中国海に設定することを決めた。
中国海軍は各型の艦艇を約200隻保有しており、米海軍の286隻に比べ、その差は大きくはない。
ペンタゴン(米国防総省)の議会への報告によれば、この数字は中国にアジア最大の艦隊を保有させていることになる。挑戦に直面していても、中国海軍は、例えば、より発見されにくい潜水艦や数多くの長距離巡航ミサイルなど、先進技術を採用した艦船が増え続けている。中国の海軍力に抵抗するのは益々難しくなりつつある。
こうした長距離ミサイルには、世界で初めて全地球測位システム(GPS)を採用し、射程が視距離を超す大陸間弾道ミサイルがある。音速の12倍を超すスピードで海上にある目標を攻撃することが可能。米軍や軍事アナリストは、米軍の西太平洋での活動に一大脅威となると考えている。
情勢の推移と変化について、ベトナムやフィリピン、マレーシアなど南中国海に対する主権を宣言している東南アジア諸国は、中国海軍の台頭により関心を抱かざるを得ないだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年5月17日