中国共産党建党89周年を記念して、武漢の収集家・姜小平さんが大切に保管する日本語の『中国共産党史』がこのほど公開された。同書は、中国の現代革命史において知る人ぞ知る共産主義運動の諜報員、日本人中国共産党員の中西功が1946年に日本で執筆出版した初の中国共産党史である。
中西功の公の身分は社会活動家であったが、その実は日本籍の中国共産党員であり、侵華日軍の心臓部及び戦略情報の中心であった「華中派遣軍司令部」に入り込んでいた。1941年末、上海で逮捕され、東京に送還されるが、過酷な拷問を受けても屈服せず、中国共産党の秘密を吐露することはなかった。中西は1943年に外患罪及び治安維持法違反で起訴され、死刑を求刑される。そして獄中で『中国共産党史』を執筆し、1945年8月の日本の敗戦と無条件投降の後、出獄してこれを出版した。