空母でしか実現できない空間支配能力
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指導者が海洋に目を向け始め、中国はようやく海洋能力を戦略用語と見なすようになり、「領域外」で活動するために必要な力を身につけようと尽力している。これが実力を利用した国家利益の獲得と見なされるかどうか、今後の動きが注目される。第二次世界大戦の際、イギリスの有名な艦隊司令がこのように言っている。「艦艇は3年或いはもっと短い期間で建造できるが、海洋国家になるには数世紀かかるかもしれない。」「遠洋」軍事行動はその言葉だけ見れば立派なことだが、アデン湾に船艇を派遣したからといって真の海洋国家への道が開けたわけではない。艦艇は、十分な燃料と給養物資さえあれば、どこへでも移動、駐留することができるだろう。だが、他を信服させる軍事行動には充実した後方支援の補給線や、有効的な指揮管理及び監視が必要なのだ。そして最も重要なのが、空母でしか実現できない空間支配能力である。
中国はこれらの施設を持ち合わせていない。さらに、その友好国により提供される寄港拠点も不足している。補給や船艇のメンテナンス及び戦闘機の補修においても、総合的かつ永続的な海軍基地が必要だ。中国船艇の寄港を喜んで受け入れてくれる国の存在を期待するのは、現実的ではない。米国もこの点では苦労しているのだから、中国もそううまくはいかないだろう。真の海洋国家という目標に向かって、中国が歩むべき道のりはまだ遠い。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年7月5日