当面の世界各国の国際戦略状況をみると、新興大国の出現と世界の多極化の進展により、多くの3カ国間関係に新たな変化が生じている。中でも特に顕著な3つの3カ国関係について以下で分析する。
中米日3カ国関係――多くの相互作用を通じて相互理解促進
オバマ大統領の就任以来、米国の対外政策はいっそう中国の影響力を重視したものとなり、米中関係の重要性を強調し、特定の分野においては明白に対中依存を高めている。日本は、日本と中国がアジアのキープレイヤーであると標榜し、双方の戦略的互恵関係を相当に重視している。日米両国は、国際戦略上アジア太平洋地域をいっそう重視するに至っており、この地域における中米日の対話と協力を推進している。
他方において、中米日の国力の不均衡を短期間に是正することは困難であろう。米国の経済規模(economic aggregate)は15兆米ドルにも上り、日中の経済規模はいずれも5兆米ドルに満たない。米中はその国土が広大であるのに対し、日本は島国であるため戦略を深みのあるものにし難い。
日本は第二次世界大戦後、米国の核の傘の保護の下で経済大国の地位を築いたのであり、米中が共に国連安保理の常任理事国であるのに比すれば、政治面で米中と同列に論ずることは出来ない。まだ当面の間は、日米関係が米中関係・日中関係よりも強固な状態が続くだろう。
日本は、中国の国力が増長し米中が接近するのを目の当たりにして、懸念や不安を高めている。それゆえ、いわゆる「G2」体制よりも中米日による3カ国体制の方が優っているとの主張をしているのである。
ここには、3カ国体制強化を追い風として、アジア太平洋地域での影響力という面において米中との距離を縮め、同時に中国を牽制したいとの思惑がある。日本が3カ国体制強化を推進する目的は、アジア太平洋地域のみならず世界全体における大国の地位を日本が実現することにある。中米日3カ国関係の未来像には、まだ少なからぬ可塑的要素が残されているといえる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年7月7日