2週間前に米国が「ロシアスパイ事件」を公表して以来、両国は一貫して慎重な接触を続けている。情報筋は、今回の極めて冷戦的なスパイ騒動の早期幕引きを図るため、米ロが「捕虜交換」という形で手打ちをする可能性を指摘する。
この情報を最初に暴露したのは、ドミトリーという名のロシア人男性。ロシア側に逮捕され有罪となった米国のスパイ・イーゴリ服役囚の弟を名乗っている。ドミトリー氏によると、ロシア側はイーゴリ服役囚を含む数名の米国のスパイと引き換えに、最近逮捕されたロシアのスパイの釈放を図る考えだ。米ロはすでに交渉に入っているという。
イーゴリ服役囚は1999年、ロシアの原子力潜水艦やミサイルに関する情報を英企業に渡したとして逮捕された。ロシア側は、同企業は米中央情報局(CIA)の欧州における隠れみのだと指摘している。イーゴリ服役囚は2004年に禁固14年の判決を受け、現在モスクワ付近の刑務所に収監されている。イーゴリ服役囚の他に、ロシア人将校を含む10人の「西側スパイ」も今回の捕虜交換リストに入っている。このロシア人将校は英国のスパイとして、2006年に禁固13年の判決を受けた。だが、ロシアと米国の外務省報道官や高官は、いずれもスパイ交換報道について「ノーコメント」としている。
「人民網日本語版」2010年7月8日