米国海軍の核力空母「ワシントン」号が、現地時間9日に横須賀港を出港、注目を集める米韓軍事演習は、すでに弓につがえられた矢のごとく後戻りの難しい状態である。外国の軍用艦による中国近海出現等の行動に対し、中国政府は断固反対の立場を表明している。
「済州島は第二の沖縄になってはならない」
繰り返し延期されていた今回の軍事演習だが、そのデリケートな地域性から各方面で盛んに議論を巻き起こしていた。香港の『アジア時報』は8日の報道で、米韓両国は反対の声を無視して今回の軍事演習を推し進めようとしているが、そこから生まれた波紋は拡散を続けており、韓国の国民の間でも、戦争反対派の声が徐々に高まっているとした。
先日、韓国済州島の一部の民間団体は「挑戦状」ともとれる声明文を出し、「ワシントン」号の済州島への寄港に断固反対し、ソウル当局が計画している島上での「遠洋機動戦隊基地」建設を阻止しようとしている。済州島は有名な観光地で、毎年多くの中国人旅行客が訪れ、観光業における収入も大きい。ここに軍事基地を建設することが、現地の人々の意思に大きく反することは明らかだという見方もある。
知るところによれば、韓国中央政府はこれまで、2002年、2005年、2007年の3回に渡って済州島での軍事基地建設の意向を示しており、その度に猛烈な抗議を受けて頓挫している。哨戒艦「天安」の沈没事件後、韓国政府は済州島を軍事化することを決意し、現地住民からはかつてないほどの非難を浴びた。「アジア時報」では、済州島民が先日発表した声明を引用し、彼らは「済州島が第二の沖縄になるのを黙って見ていることは決してない」、全島民の利益と将来的な生計のため、当局がこの決定を撤回するまでは、逮捕されてでも抗議を続けるとした。