軍隊駐在に揺れる中韓信頼関係
済州島はそれほど大きくはないが、東は日本につながり、西は中国に面し、北はロシアの極東地区をはさみ、南は黄海及び台湾海峡を控えており、東北アジアの一大軍事要衝と呼ぶにふさわしい。もし、韓国が本当にここに遠洋艦隊基地を建設するならば、米軍空母は横須賀以外にもう一つの足がかりを持つことになる。
済州島から中国の上海まで直線距離にして約500キロメートル、飛行機なら30分の距離だ。抗日戦争当時、日本海軍航空兵は済州島から離陸して上海を爆撃した。冷戦時代、韓国は、当時台湾を占拠していた国民党政権に、現地の空港を貸し出し、その偵察機の中国大陸本土偵察飛行に力を貸した。今、中韓経済が日増しにその関係を深める中、韓国が済州島への軍力配備にこだわることは、両国の信頼関係に何ら利益をもたらさない。
戦略問題に詳しい評論家で中国空軍大佐の戴旭氏は『青年参考』報に対し、次のように述べた。米国が「中国に対するC型包囲網」を構築するためには、韓国の部分が欠かせない。米国の意図は、東北アジアにおいて中国を包囲するためのチェーンの二つの輪として、日本と韓国を利用し、中国の「第一列島線」突破を防ぐことである。一方で、中国の実力は昔とは比べものにならないほど強大になっており、韓国は米国の言いなりになるばかりでなく、一番大きな経済パートナーである中国の声に耳を傾けるべきだとする見方もある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年7月16日