米国は大国としての中国の登場への準備はできたのか?

米国は大国としての中国の登場への準備はできたのか?。

タグ: 米国 中国

発信時間: 2010-07-29 17:19:55 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 米政府要人は「繁栄する大国としての中国の登場を歓迎する」と繰り返し表明している。だが今年になって起きたいくつかの出来事、特に米韓合同軍事演習や南中国海問題における最近のワシントンのやることなすことを見ると、どうしても「米国は本当に準備はできているのか?」との疑問が生じる。

 米国にとって中国の発展に適応するのは「言うは易く行うは難し」だ。中米関係の前進は、口先でそれらしい意欲を示してみるだけでは、全く不十分だ。もし米国が、中国が大国として世界の舞台に登場することを認め、受け入れる方法を見いだせなければ、中米関係はジェットコースターのように乱高下することになる。こうした不安定な状態が中米両国、さらには世界にもたらす負の影響は誰も見たくないにも関わらずだ。

 カーター政権以来、中米関係は米大統領の就任後に一時冷え込み、その後徐々に回復するというパターンをほぼ繰り返してきた。オバマ大統領就任後の最初の段階では、中米関係はこうした悪循環を脱していた。オバマ大統領は昨年11月の訪中前「米国は中国を封じ込めようとはしない。国際社会で中国がより大きな役割を発揮することを歓迎する」と明言した。上海で演説した際も「一国の成功が他国の犠牲を代償に得られたものであってはならない。われわれが中国の台頭を封じ込めようとしない理由はここにある」と述べた。

 対中関係についてオバマ政権の発したシグナルは間違いなく積極的なものであり、「接触と封じ込め」という従来の戦略を変更する意図の表れとすら分析された。実は中米関係の行方についての全体的な判断は、米国の対外政策の策定において大まかな背景となるだけであり、現実の中での調整ははるかに難しく複雑だ。台湾への武器売却、グーグル事件、人民元相場問題の煽り立て、「中国経済責任論」の吹聴----。急速に発展する中国とどうつきあうかという問題において、実はワシントンはしっかりした構想も心構えも持ちあせていないのだ。

 かつて米国の専門家は、中米関係のたゆまぬ深まりに伴い、中国はより「受容力」を備えるようになると予測した。重要なのは、自国の核心的利益に関わる問題において、中国に妥協する余地は全くないということだ。原則的な是非を前に中国が引き下がったことは過去にないし、現在もないし、将来はなおさらにない。これは「受容力」云々の問題では全くない。中国の断じて譲れぬラインに触れるようなやり方に応じることはできない。「返礼をしなければ失礼になる」----。ワシントンには「中国通」がたくさんいる。中国のこの古い言葉に含まれる多様な意味を、多少は理解しているはずだ。

 中米の経済貿易関係はどんどん緊密になっており、重大な国際問題を処理する際、双方は会議のテーブルについて話し合いもする。だが、中米関係におけるいくつかの深いレベルの構造的対立は和らいでおらず、緊密な接触の過程で、双方間の利益衝突がかえって増加するおそれもある。


 新たな変化に対応する適切な方法が見いだせない時、古臭い考え方が再び持ち出されることがよくある。当事者も内心深くでは、それが先行きのない古い道であることをはっきりわかっていながらもだ。先日のASEAN地域フォーラムでクリントン米国務長官が南中国海問題と米国の「国益」について大弁舌をふるったのは、その真新しい例だ。

 これまで覇権には慣性のようなところがあった。しかし、自らの地位が挑戦を受けていると感じると、事実の真相も顧みず、その性分からあちこちに手を伸ばし、緊張をつくりだし、離間をそそのかし、さらには大国間のどちらの列に加わるか選べと一部の国を脅しまでする。これでは事態をさらに複雑にするだけだ。しまいにはその災いが自らに跳ね返ってくるのがおちだろう。

 「人民網日本語版」2010年7月29日

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