また彼は、黄海と南海の相違点により、解放軍のそれぞれの海域における「対抗」手段もまた異なるものとなる、とする。黄海は重要都市まで陸続きで直通するエリアであることから、陸・海・空にわたる総合的な対応策が必要となる。これに対し南海は、海域面積が広大であることから、海・空軍による対応が主となる。すなわち、「二砲部隊」(戦略的ミサイル部隊)による、海域を隔てない協同作戦が採られる、というのだ。
さらに、過去の規律や戦争の方法論に照らせば、黄海と南海の二つの海域で同時に戦争の脅威が勃発するということはほとんど想定できない、という。そのため、発生した脅威の時間と程度の変化に応じて随時に関係兵力を展開すれば足りる。その中でも対応速度の最も速いのが「二砲部隊」で、ミサイルを制御誘導するデータを短時分のうちに解析・インプットできる。空軍が命令を受けてから目的地に飛びその任務を完了するまでに、多くの時間は要さない。
「藍水海軍」建設の加速
劉江平は、また以下のように述べる。
日ごとに激しさを増しつつ迫り来る外的脅威に直面し、中国軍には、もはやこれに対し可及的速やかな対応策を講じる以外の道はない。すなわち、まず先立って黄海・南海に一定の戦力を配置し、随時に部隊間の相互協力及び有効な攻撃が可能な態勢を確保しておく必要がある。これに加えて、中国は適切な場所を選んで各種の部隊を混合編成した戦力の拠点を建設することで、外的脅威に対するより一層高度な対応を可能にするべきである。
そして、世界のグローバル化が急速に進む昨今、中国の海外における権益も次第に広汎なものとなりつつあり、「黄水海軍」(200海里以内の近距離海域で任務を遂行する部隊)のみではすでに国家権益を守る需要を満たすには程遠く、「藍水海軍」(外洋で長時間の任務を遂行する部隊)建設を加速していかねばならない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年8月2日