改装を終えた「グリーンビル」が9月10日に真珠湾を出港し、西太平洋への配備が始まった
中国国防科技情報網は13日、「ロサンゼルス級原子力潜水艦『グリーンビル』が今月10日、真珠湾のヒッカム合同基地を出港し、西太平洋地域への所定の配備が進められている」と報道した。
米海軍のロサンゼルス級原子力潜水艦「グリーンビル」がアジア太平洋地域に初めて配備されることの軍事的意味は言うまでもない。軍事アナリストの陳光文氏によると、「グリーンビル」は改装を終えたばかりで、艦上の情報・監視・偵察活動をサポートするすべての電子システムをレベルアップ。韓国に配備されれば、朝鮮や中国に対する秘密偵察、情報収集、特殊部隊などの任務を遂行できるという。
韓国メディアによれば、韓国軍合同参謀本部は24日、米韓が27日から10月1日まで黄海上で対潜水艦の合同軍事演習を実施すると発表した。この軍事演習に「グリーンビル」が参加する可能性について、陳氏は「今回の軍事演習の主な内容は対潜水艦である。よって、ほぼ間違いなく参加するだろう」と話す。
陳氏はまた、中国の新型の通常潜水艦は静音化とAIP化が進んでおり、米国は最新鋭の攻撃型原子力潜水艦によって対応しなければならなくなっていることを強調。原子力潜水艦の強大な攻撃力によって、急速に発展する中国の遠洋海軍力の形成を抑止するつもりだと指摘する。
このところ、米国は次々と最新鋭の原子力潜水艦をアジア太平洋地域に差し向け、この海域を急速にヒートアップさせている。米海軍のサイトによれば、バージニア級攻撃型原子力潜水艦「ハワイ」が24日に西太平洋最大の海軍基地の一つであるアプラ港に入港した。
これについて陳氏は、米軍がますます多くの原子力潜水艦を西太平洋地域へ配備しているのは、同海域の水中環境を徐々に熟知し、中国海軍の潜水艦部隊の発展に影響を与えようとしているからだと分析。米軍がさらに多くの原子力潜水艦を西太平洋地域に配備すれば、日本と韓国に対する事実上の戦略的支援が形成され、日韓は今後、中国との海上での主権争いで主導権を握り、中国の海洋の合法的権益の維持は受け身になってしまうかもしれないと懸念を示す。
「グリーンビル」はロサンゼルス級原子力潜水艦の61番艦であり、ロサンゼルス級攻撃型潜水艦の22番艦の改良型である。強大な戦闘能力を持つだけでなく、武器発射管24基を備え(艦後方に垂直ミサイル発射管12基を装備)、巡航ミサイル「トマホーク」8個、ハープーンミサイル4個、Mk48対潜水艦魚雷14個を搭載する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2010年9月27日