南中国海の一部の島の位置
10月12日、初のASEAN拡大国防相会議がベトナム・ハノイで閉幕、各国の代表が次々に共同声明に署名した。報道によれば、今回中国が南中国海領有権問題に柔軟な態度で対応するのは、ASEANとの連携で中国を囲い込もうとする米国の企みを打破するためだという。
中国はASEAN拡大国防相会議において比較的冷静に南中国海領有権問題に対処し、その前に南中国海で大型軍事訓練を行った際の強硬な態度や、楊潔チ外交部長の米ヒラリー国務長官に対する強い反発との大きな差を見せた。これは、中国の「南中国海戦略」が最新情勢によって調整されたことを反映している。
ヒラリー国務長官のアジア回帰宣言を皮切りに、米国の南中国海問題に対する干渉は次第にヒートアップしてきた。先月末にニューヨークで開かれた「米国ASEAN首脳会議」では、オバマ大統領も南中国海問題に言及した。
中国側は米国の取り上げた議題に「柔軟な」対応を見せた。中国国防部外事弁公室副主任関友飛氏は先のブリーフィングで、「今回の多国間防衛提携会議であり、南中国海領有権問題を討論するのは不適切だ」との考えを明確にした。中国代表団はベトナム・ハノイ到着後、当地での活動は全て地域協力促進を基調とし、各種論争については極力トーンダウンしている。例えば、梁光烈国防相は一昨日ベトナム総理グェンタンユン(Nguyen Tan Dung)と会談後、「両国の軍艦はトンキン湾地域での協力を強化し、平和的方法で様々な紛争を解決することに同意した」と発表した。
中国の剛から柔への転身は、米国の南中国海問題への介入で情勢が複雑化したことと、釣魚島漁船衝突事件で中日関係に摩擦が生じ、中国周辺の安全問題が不安定な状態に陥っていることが原因とする見方もある。
今回、中国側が南中国海領有権問題に柔軟な対応を見せるのは、周辺国との関係改善を図ることで、ASEANとの連携によって中国を囲い込もうとする米国の企みを打破するためである。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年10月15日