中国政府は「勇敢な愛国者」として、死んでも外国の侵略者に屈服しないイメージを保とうとしている。言い換えれば、武士は殺してもいいが侮辱してはダメなのだ。
このため、外国からの圧力に対し、譲歩を見せる、あるいは中国が弱いと思われることは、このような国家指導の原則と矛盾することになるのだ。
そのため、各種の問題に対して、中国を叩く外国政府は、まずこの思想のエッセンスをよくよく知っておくべきである。公然と批判し、声を高らかに威嚇するやり方は、時には逆効果を生むのである。
もちろん、諸外国は傍観すべきと言っている訳ではない。全世界の批判はそれなりに効果があるものである。だが、ある特定の問題について、公然と中国を一概に叩けばいいというものではない。中国を本気で怒らせることになるかも知れないからだ。
そうした観点から見ると、米国防長官が先日陳述した「アジア海域における領土問題は当該エリアの平和を危うくする」云々は、何の利益にもならない発言である。強い圧力をかけても中国政府には通用しないのだ。シンガポールのリー・シェンロン首相はかつて、中国をあまり叩かないよう呼びかけたことがある。先月、人民元の切り上げを外国政府が要求している問題について触れた際、リー・シェンロン首相は「中国は外国の要求に屈し、切り上げざるを得なかったのだとは絶対に思われたくないはずだ」と述べている。
中国に昔から伝わる中国医学の鍼灸の中に、指を使って力を入れずにツボを刺激する「指針療法」というやり方と同じである:適度な力加減により効果が出る。強い力で押さえると逆に身体を痛め、死に至らせる場合もある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年10月18日