ロシアのメドベージェフ大統領は1日、日本側と領有権を争っている「南千島諸島(日本名は北方四島)」の南にある国後島を訪問した。ロシアの指導者がこの地を視察するのはこれが初めてだ。
これに対して日本の菅直人首相はすぐに遺憾の意を表明し、ロシア外務省は、「メドベージェフ大統領は独自に国内での視察ルートを決めた」と述べた。
切り札のない日本 露大統領の意図は領有権主張
「北方四島」はロシアと日本がずっと領有権を争ってきた地で、露日両国の指導者はこの地の視察を避けてきた。そのためメドベージェフ大統領は、旧ソ連とロシアを通じてこの地に降り立った最初の指導者になる。
社会科学院ロシア専門家の姜毅氏は「メドベージェフ大統領は9月に『北方四島』視察の計画を明らかにしていた。今回の訪問はこの約束を実行するためであり、ロシアにおける『北方四島』の領有権を主張する行動だ」と話す。
北京大学日本問題専門家の王新生氏はこう分析する。「長年続いている『 北方四島』の領有権紛争は、短期間には解決することができない。旧ソ連解体後にロシアは国際舞台での声が弱まり、そのため極東地域で役割を発揮し、影響力の強化を目指している。『北方四島』の問題で強硬な立場を取るのは、国際社会でロシアの発言権を維持するためには有利で、これはメドベージェフ大統領がこの地を訪れた理由の一つである」
メドベージェフ大統領の訪問が連鎖反応を引き起こすのではないかという質問について姜氏は「この4つの島はロシアが実効支配しており、日本がその事実を動かすことは難しい。それにこの数年間、露日関係に明らかな改善はなく、日本は抗議する以外に、さらに多くの結果を引き起こすことはないだろう」と答え、日本側には何の切り札もないと語る。
外交で「綱渡り」する日本政府