例えば3月16日、自衛隊は大型船舶で岩手県釜石市に救援物資を送ろうとしたが、積卸し手段がなかったためにできず、メディアの批判を浴びた。だが、すぐに上陸用舟艇を出動させて輸送任務を執行したものの、これに言及する報道はなかった。
災害救援は人を救うようなもの、との印象を抱いている人が非常に多いが、実際、救援は長期的な作業であり、救援と復興に必要な物資の輸送を確保することがより重要であることから、自衛隊の救援活動で最も主要な役割は物資を輸送し、輸送に必要な道路を復旧させることである。
「命令拒否うんぬん」は流言
自衛隊に関する流言で最も悪質なのは恐らく、「自衛隊は命令を拒否した」というものだろう。管直人首相は15日、自衛隊に福島の原子力発電所に行くよう命じたが、自衛隊は放射線を恐れ、命令を拒否して出動せず、メディアから批判された、といったものだ。この「命令拒否」は流言にすぎない。まず、菅首相が自衛隊に対し行って何をするかを命じることはなく、民主党政権が派遣任務をそのように明確に分けて他人に行かせていたら、支持率がここまで低迷することはなかったろう。
もう1点、たとえ自衛隊が放射線を恐れて命令を拒否したとしても、日本のメディアが批判することはあり得ない。自衛隊員も人であり、彼らは放射線を浴びるのは嫌だと言っている、と非難する資格のある人はいない。さらに、自衛隊は軍隊ではなく、軍法もないため、いわゆる「敵前逃亡」は犯罪とはならず、道徳的にも非難されない。
菅首相は15日、自衛隊がヘリコプターで空中放水して冷却することは実行可能か、との問題を検討するよう防衛相に申し入れた。防衛省が検討後も否定的な姿勢を示したのは、まず精確性の問題、第2に水蒸気爆発の可能性、第3に、これも最も重要な1点だが、乗組員の被爆の問題があったからだ。この問題を提起するのは非常に自然なことであり、命令を下す人は命令を執行する乗組員の生命または健康を考慮する必要がある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年3月21日