南開大学の申泮文教授は20日、福島第一原発事故の処理には技術、管理問題が存在すると指摘した。
この日に開催された講座、「放射線はわたしたちからどれくらい離れているか」で、95歳になる申教授は、各方面の情報を総合的に分析して、福島原発危機の直接の原因は地震と津波で電力系統が破壊されたことにあるとし、「停電になれば、設備を手動で操作できるはずだ。ヘリコプターを使って上空から原子炉に注水して温度を下げるやり方では根本的に問題を解決できない。9日目に電気ケーブルが回復したのも、ちょっと対応が遅すぎるのではないか」と率直に語った。福島原発事故の原因は地震と津波といった不可抗力的な要因のほかに、設備の老化、予備の電力系統の問題、緊急対策の不足などが考えられる。
原子力はクリーンで安全なエネルギーだと申教授は指摘。原子力発電と原子爆弾の最大の違いは、原子力発電所が核反応を制御可能な状態で行っている点だ。原子力の安全利用およびその環境への影響を最低限に抑えることは全人類が直面している共通の課題といえる。
日本の原発事故によって中国の原子力産業はどんな触発を受けたかについて、申教授は、「中国は経済成長期にあり、大きな資源環境のプレッシャーを抱えている。中国の原子力エネルギーの利用率は総電力の2%程度と、先進国にまだまだ及ばない。日本の原発事故の後、中国は原発の建設ペースを緩め、原発の技術、管理問題の改善に力を入れている。とはいえ、原発の発展はストップしてはならない」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年3月22日