もう1つの派閥は国際関係の現実主義者からなる。彼らの理論はシンプルだ。「支配的地位を占める強権は経済衰退に直面し、特定の段階に達すると、過去の莫大な軍事費を維持できなくなる。その退却後は、新たな強権が権力の空白を埋める」というものだ。彼らは新たな支配的強権が出現すれば、現有の国際秩序に変化が生じる可能性が高いとも考えている。
中国は、自らの台頭によってアジアが不安定化するとの懸念に対して非常に敏感だ。こうした懸念を取り除くため、中国はソフトパワーを発揮し、「平和的台頭」と称している。だが現実主義者は「中国はグローバルな問題における自信を強めるだろう。中国の目標はアジアから米国を追い出すことだ」と考えている。
文化と歴史の視点から言うと、中国は目標実現の過程において非常に辛抱強い。もし中国が多くのアナリストが指摘するように世界の多極化を図っているとすれば、現在の趨勢は中国により有利なように見える。挑戦されない地位に米国が戻ることは不可能だ。いずれにせよ、中国の台頭が米国との戦争を引き起こす、またはアジアから米国が追い出されると懸念する理由はない。だがある状況の下で、米国が自らアジアを離れることはあるだろう。
「人民網日本語版」2011年8月24日