沼沢地に飛び込む飛豹戦闘機
陝西省蒲城県で行われた中国国際通用航空大会で14日午前、航空ショーのパフォーマンス後に戦闘機1機が墜落した事故で、同大会の執行委員会は行方不明になっていたパイロットの死亡を確認した。墜落した戦闘機は中国航空工業集団の中航工業試験飛行院に所属し、招きに応じて航空ショーに参加した非現役戦闘機である。
◇飛行高度不足 前席のパイロットはパラシュートでの脱出に間に合わなかった
行方不明になっていたパイロットの死亡が確認された後、15日午前11時5分、通用航空サミットの出席者全員が1分間の黙祷を捧げた。大会執行委員会の関係者によると、事故発生時は飛行高度が低く、後席のパイロットはパラシュートで脱出し、軽症を負って病院で手当てを受けているが、前席のパイロットは死亡が確認された。
15日、「前席のパイロットはどうして開傘しなかったか」という議論がネット上で繰り広げられた。「飛豹」の座席は直列配置で、完全密閉され、2台のHTY-2C型射出座席が取り付けられている。射出速度は時速0-1000キロ、射出高度は0-21000メートルで、安全基準を満たしており、今回の事故は発生すべきではなかった。
これに対して、専門家は「適用できる安全脱出高度の範囲が墜落前の急降下により変わった。それに加え、その前の飛行高度はわずか200メートルとあまりにも低かった。脱出する時は、まず一人目のパイロット、その次に二人目のパイロットという順番もあり、それらの原因によって二人目のパイロットは脱出のチャンスを逃した」と明らかにした。
◇残骸は見られず 飛行機が完全に沼沢地に呑み込まれた可能性も
現場の記者によると、15日昼頃、墜落現場から50メートル離れたところで警備に当たる警察官の姿が見られた。二つの軍用テントが張られ、掘削機も現場にとまっているが、掘削作業はまだ始まっていない。墜落地点は沼沢地で、飛行機は完全に沈下し、残骸は見られない。墜落地点へと続く道も泥道で、残骸を掘り出すには、まず道路を整備しなければならないという。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年10月17日