日本のいわゆる「防空識別ライン」、非合法の「中日中間線」、中国主張の境界線。図中の○印は中国東中国海のガス田。
日本の防衛省は、「領空侵犯の恐れがある」外国機に対し、航空自衛隊が4~9月に緊急発進(スクランブル)した回数は203回で、そのうち対中国機が昨年同期比で3.5倍の83回に急増したと発表した。「侵犯の恐れがある」とは、日本の「防空識別ライン」に進入することを指し、自衛隊法第83条の規定に基づき、自衛隊戦闘機は緊急発進し、(外国機を)追跡・妨害することができる。鳳凰軍事が伝えた。
ただ、日本の「防空識別ライン」に含まれる範囲は広く、最西端の境界線は「中日中間線」を大きく越えている。基本的に中国機は東中国海の本国に属する排他的経済水域(EEZ)で通常の飛行を行うだけで、日本機が緊急発進を行う可能性がある。特に中国の東中国海におけるガス田はいずれも日本の「防空識別ライン内」に含まれている。日本が不法占拠している釣魚島(日本名・尖閣諸島)は尚更のこと自衛隊機が見張っている。
日本のいわゆる「中日中間線」は釣魚島を日本の領土として考えているが、これはまったくの非合法だ。そうであったとしても、日本の「防空識別ライン」は「中日中間線」の範囲を大きく越え、中国機の自由かつ合法的な飛行を阻害している。中国機が本国の水域で合法的な飛行を行うことが、日本に対する一種の「威嚇」とみなされ、日本機の警告と阻害を被ることになること自体おかしなことだ。
日本の哨戒機「P-3C」はは頻繁に東中国海の中間線を越え、公然と中国のガス田上空を飛行している。日本の「防空識別ライン」の原則は「外国機の領空侵犯」に対する早期警戒の時間を与えているが、日本のP-3Cと中国大陸との距離はこの早期警戒範囲を大きく下回っており、中国の領空に対する脅威であることはいうまでもない。
◇中国の2つの弱点
こうした方面で中国には2つの問題が存在する。まず、自らの防空識別ラインに関する明確な概念が欠けており、日本機の東中国海への進入に為す術がないこと。また、中国の長距離海上哨戒機はまだ空白で、現有の「運-8」の性能はP-3Cに大きく劣る。EEZ、特に釣魚島に対する航空パトロールの能力が欠けている。中国と日本を比べると、海洋においてまだ大きな戦略的劣勢にあることがわかる。
長期的な角度からすると、中国は自らの防空識別ラインを公開すると同時に、より有力な長距離哨戒機を配備し、東中国海の「中間線」の西側のすべての地域、それに「中間線」の東側の中国に属する地域をより多く、正々堂々と進入し、本格的な定期パトロールを行う必要がある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年10月22日