日本の共同通信社が伝えたところによると、安倍晋三元首相は24日、福岡市で講演し、釣魚島(日本名・尖閣諸島)に日本人が居住し周辺海域の開発を進めるべきだと主張した。「断固として島を守る強い意志を示さなければならない」と述べた。
同日、沖縄県那覇市にある第十一管区海上保安本部は、24日早朝、沖縄県・釣魚島付近で漁業監視船2隻を確認したと公表。藤村修官房長官は記者会見で、「わが国の領海への侵入を防ぐため、今後も監視と警戒を続ける」と述べた。
◇日本の動きに中国側が反発
こうした事実は、釣魚島およびその海域の領有権争いがエスカレートしつつあることを意味している。中国は釣魚島の主権を示すため、漁船レベルをはるかに超えた漁業監視船のパトロール回数を増やす一方、日本はさらに実効支配を強める動きを活発化させている。
長年、中日両国はいずれも自らの領有権を主張してきた。これはすでに紛れもない事実である。1972年、1978年の時点で、両国首脳は領有権争いを一時棚上げし、現状を維持し、未来に向かうことで暗黙の了解をした。しかし近年日本は様々な行動を起こし、両国首脳がかつて承認した「暗黙の了解と共通認識」を明確に否定する一方、民間と政府が手を組んで釣魚島の現状を変え、釣魚島の実効支配を強化。さらには、中国側との協議を拒絶し、領有権問題については「話し合いの余地はない」と宣言した。まさにこの3点に中国側は反感を抱き、実際の行動でもって釣魚島の主権を示し、日本にテーブルにつかせようとしているのだ。
◇海上危機管理体制の構築が必要
23日に北京で行われた新中日友好21世紀委員会第3回会合の開幕式で、中国側座長の唐家璇前国務委員は、「中日間に存在する釣魚島の領有権争い及び東中国海のガス田等の問題を考慮し、両国は海上危機管理体制を構築する必要がある」と明確に述べた。
いわゆる「海上危機管理体制」は、中日双方のいずれも釣魚島等の問題をある限度、範囲、枠組みの中でコントロールする責任があることを示している。当然、その前提は「対話」であり、「対話拒絶」ではない。大局的にみると、中日両国関係にはこの問題よりももっと重要な問題が山積している。しかしこの問題が有効的に解決されなければ、摩擦の常態化を招く。
最近、中国海軍の羅援少将は中国新聞社の記者が取材した際、「中日間のような小さな摩擦は構造的な問題。釣魚島の帰属問題において原則的な対立が存在する。それが双方の衝突の本質的な部分だ。しかもこうした摩擦は日々常態化している」とし、もう一つの可能性として摩擦が軍事衝突の方向に向かう可能性を指摘した。こうした局面は中日両国のいずれも望んではいないだろう。(文=蒋豊)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年10月26日