「新しい世界、新しい思考」--フランス・カンヌで間もなく開催される第6回20カ国・地域(G20)首脳会議のテーマには、世界経済の苦境脱出への望みが託されている。今年に入り世界経済は減速し、下降リスクが増加している。特に最近の欧州債務危機と米国債格下げの影響で、国際金融市場は激しく動揺し、世界経済の運営は先が読めなくなっている。いかにして世界経済を不確定、不安定の無限連鎖から抜け出させるかが、先進国、新興市場国、発展途上国にとって共通の課題となっている。G20首脳会議では「成長確保、安定促進」が再び呼びかけられる。
G20体制の誕生を後押ししたのは、重大かつ緊迫した世界経済の問題だ。米サブプライム危機が暗い影を落としていた2008年晩秋からG20は全世界の信頼を力強く高め、国際経済・金融システム改革の目標を定め、協議によって合意を形成し、合意によって協力を実現し、協力によって共栄を促してきた。中国の胡錦濤国家主席はG20首脳会議にこれまで5回出席し、いずれも前向きな評価に値する成果を上げている。
現在、先進国は失業率が高止まりし、財政再建は遅々として進まず、金融部門の回復・改革は未完成で、米欧債務危機の行方も不透明だ。10月27日未明にEU諸国がユーロ圏首脳会議で欧州債務危機の解決に向けた包括策で合意したことは、同日の世界株式市場にとって力強い好材料になったが、これは短期間での金融市場の安定化、欧州債務危機の外部拡大リスクの軽減・解消が容易になったことを意味するものではない。
経済グローバル化時代には効果的な世界経済ガバナンスが必要だ。世界の視線はカンヌに注がれ、G20首脳会議が引き続き世界経済・金融の重大かつ緊迫したリスクや試練に焦点を合わせ、団結・成功・共栄を目に見える形にすることを期待している。
中国は安定した比較的速い経済成長を維持し、世界経済の成長に多大な貢献をしている。これは議論の余地がないほど各種統計によって示しているし、大きな国際組織の研究報告でも繰り返し論証されている。
「現在の中国はわれわれの銀行家であり、商品供給元であり、最も活力ある市場でもある」との仏紙ルモンド編集長の言葉は実に象徴的だ。