中華人民共和国、ラオス人民民主共和国、ミャンマー連邦共和国、タイ王国は2011年10月31日に中国の首都北京でメコン川流域法執行・安全協力会議を開催した。中国からは孟建柱国務委員、ラオスからはドゥアンチャイ副首相兼国防相、ミャンマーからはココ内務相、タイからはコウィット副首相らが出席した。
各者は近年来メコン川流域で違法薬物や武器弾薬の密輸などの犯罪活動が目立ち、4国の船舶が航行時に武装人員に金品をゆすり取られたり、略奪、銃撃される事件が頻発していることに留意。特に今年10月5日に貨物船2隻がメコン川水域で襲撃され、中国人乗組員13人が殺害された事件は、メコン川流域の水上運輸の安全を著しく脅かした。メコン川流域での4国当局による法執行・安全協力を強化し、本流域の安全を脅かす国際犯罪活動を取り締まるために効果的な措置を講じる必要がある。
メコン川の国際水上運輸の安全を守り、4国の正常な経済・貿易・人員往来を保障するため、各者は平等互恵と主権の相互尊重を基礎に、メコン川流域の安全状況について伝え合い、安全協力の強化、国際犯罪の取締り、国際水上運有の安全維持に向けた措置について検討し、以下の点で合意した。
一、10月5日の事件について合同捜査を強化し、早急かつ徹底的に真相を解明し、凶悪犯を逮捕・処罰するため、一層力強い措置を講じる。
二、メコン川流域の安全に関して生じた新たな情勢に対応するため、4国によるメコン川流域法執行・協力体制を正式に構築する。
三、メコン川流域法執行・安全協力体制の下で、情報交換、合同パトロール、治安上の重大問題への共同対処、国際犯罪の合同取締り、突発的事件への共同対応の具体的な協力体制を構築して、メコン川流域の水上運輸の安全と秩序を効果的に守り、4国船舶・人員の生命と財産を守る。特別な統一行動を講じ、本流域の安全を長期間脅かしている犯罪集団を徹底的に壊滅させる。
四、各々効果的な措置を講じて、第3条の協力合意を積極的に実行に移し、早急に合同パトロールを展開し、メコン川水上運輸の再開に向けた安全環境を整え、12月の大メコン川流域地域(GMS)経済協力首脳会議前の航行再開を目指す。早急に国際違法薬物犯罪集団の合同取締りを展開し、本流域の安全を脅かす活動を防止する。
五、4国の水上法執行当局間に直接の連絡窓口を設け、書簡、電話、ファクス、電子メールで連絡を取る。
六、取り組み上の必要に基づき、4国メコン川流域法執行・安全協力会議を適切な時期に再度開催する。非常事態や特殊な事件については随時作業会合を開くことができる。
七、平等・互恵、主権の相互尊重を基礎に協力を一層強化し、問題や不一致点は協議を通じて解決する。
八、4国の「メコン川流域法執行・安全協力協定」を早急に締結する。
本「共同声明」は2011年10月31日に北京で採択された。
「人民網日本語版」2011年11月1日