今日の世界は冷戦前夜とは全く異なる。新興の大国はその台頭によって、世界構造の多極化を促す重要なパワーとなっている。こうした国々は西側とは異なる「成長」をし、いくつかの問題で西側を不愉快にさせることもあるが、西側と経済・貿易など各分野の交流を通じて、共同発展を促してきた。世界の平和と繁栄はこうした国々がより米国化するか否かではなく、自国の国情に合った道に沿ってさらに遠くまで進めるか否かにかかっているのだ。
多極化した世界構造には各国が幅広く受け入れられる認識の枠組みが必要だ。その前提となるのは相互尊重と包含的協力であり、あらゆる手を尽くして「仮想敵国」をさがすことでも、ましてや世界を「塑造」する衝動でもない。
一時期センセーションを起こした「歴史の終わり」論がそそくさと退場せざるを得なくなったのは、根本的に言って、歴史の発展の法則に背いていたからだ。人為的な同一化によって世界の安全構造を築くことに固執するのは、ある意味において冷戦の雰囲気をつくり出すことでもある。
「人民網日本語版」2011年11月28日