◇国際社会が日本を容認
戦後半世紀、西側を中心とする国際世論はドイツ、日本の侵略の歴史に対してまったく異なる態度をとってきた。
筆者が自ら体験したことだが、ある国際シンポジウムで、私は南京大虐殺とユダヤ人大虐殺を例に挙げた。あるフランスの学者は会議後、私のところへ来て、その2つを一様に論じるべきではないと話した。彼は、ドイツのユダヤ人に対する行為は種族絶滅、日本の中国に対する行為は植民地戦争にあたり、後者はある意味中国の工業化の助けになっている。例えば、日本が「満州」を占領したことで東北は中国の重工業基地となったと指摘した。これは典型的な西側中心主義と植民地主義の観点といえる。
ドイツの侵略対象は旧ソ連を含む先進国で、戦後の回復が速かったため、世界的世論の地位を占め、その実力と勢いがファッショの残余勢力を脅かした。日本が直接侵略した対象はアジアの発展途上国や西洋の植民地で、戦後の状況が複雑で自国のことで手一杯だった。一方、日本は米国の支援の下、20年足らずで先進国の仲間入りを果たした。日本人は実力を尊ぶため、自国より弱い国に頭を下げて自ら罪を認めることができないのだ。(作者:中国社会科学院国際政治専門家 資中筠氏)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年12月1日