「発展途上国は賢い被援助国に」「あなた方の資源だけに興味のある援助国を警戒しなさい。彼らはあなた方の能力構築など考えない」「彼らが提供する資金は短期的な予算不足は補えるかもしれないが、こうした便宜的なやり方では持続可能な結果は生まない」――。これはクリントン米国務長官が11月30日、ミャンマーに向かう前、途上国援助の効果向上に関する国際会議で述べた発言。
「これは中国の援助への警戒だが、米国務長官としてはちょっと行き過ぎた発言だったと報じた。米国はこれまでの覇気と自信を失い、『悪口』でアジア各国と中国の関係を挑発し始めた。われわれの印象にあるあの米国と少し落差が大きい。」(英紙フィナンシャル・タイムズ)
クリントン長官はがこうした挑発を行ったのは初めてではない。昨年11月、カンボジアを訪問した際、中国にいわゆる「カンボジアの利益」に関連する問題を提示するようカンボジアに勧めた。今年7月にインドでも「南アジアを飛び出て、アジアをリード」するよう発言し、国際世論を騒がせた。
クリントン長官のミャンマー訪問の背景には、米国が近ごろ押し進める「太平洋戦略」があり、これまでの豪州の駐留軍強化や、南中国海問題でフィリピンなどへの支持とは異なり、その狙いは「中国の盟友」とみられているミャンマーという国にある。米国務長官の同国への訪問は50年ぶりで、米国の「アジア復帰」戦略下、今回の訪問は別の意味が込められている。
クリントン長官のこうしたやり方は、或いは米国の現実的手段の不足を補うためで、米国の財政赤字はすでに天文学的数字に達し、貿易競争でも力がなく、いろんなところにおカネを借りざるを得ない。今外国からの支援が1ドル増えれば、赤字の重圧が増えることになる。クリントン長官は「スマートパワー外交」の威力は無辺で、口さえ動かせば、アジア各国を含む多くの発展途上国を欺けると思っているが、米国がこうした国々から信頼や協力、尊重を得られないのはまさにこの点にある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年12月5日