日本は巨大なインド市場を重視している。巨大な人口を持つインド経済には大きな将来性があり、日本企業にとっては海外投資を拡大し、製造業の移転を実現する上で理想的な市場でもある。インドも日本との関係強化に一層の自信を見せている。インドメディアは日本の経済協力の「大盤振る舞い」を大きく扱い、「日本はハイテクと資金を持っており、インドは飛躍的な経済成長の実現に努力している新興市場だ。両国経済の補完性は強い」と指摘している。また、インドが地域の大国であり、その戦略的重要性が高まっていることも、日本をインドと近づけた重要な要素だ。
インドは野田首相の訪問に強い期待を抱いている。インドにとって対日関係の深化は、経済成長に必要な資金・技術の獲得だけでなく、地域における戦略均衡パワーとしての役割を発揮し、影響力を高める上でもプラスだ。インド外務省は「印日関係はすでに2国間の範疇を超え、地域さらにはグローバルな平和と安全の維持においても認識を共有するにいたった」としている。
注目される原子力協定について、日本側は「インドが核実験を行った場合、協力を止める」との内容を盛り込むよう強く要求。日本側は核実験の停止、核不拡散の確保において、インド側から譲歩を引き出せずにいる。インドは核拡散防止条約に加盟していないことから、インドとの原子力協定は核拡散を招く恐れがあるとの指摘もある。
「人民網日本語版」2011年12月30日