第11期全国人民代表大会(全人代)第5回会議が本日午前9時に人民大会堂で開幕し、温家宝総理が政府活動報告を行った。温総理は、2012年度の主要任務について、次のように述べた。
対外開放の質とレベルの向上に努めること
わが国の対外開放はすでに新たな段階に入っており、輸出入貿易や国際的な相互投資の重要性と役割が大きく変化している。そのため、新たな情勢に即応して、対外経済活動において新機軸を打ち出し、対外経済の発展パターンを転換させることにより、開放型経済のレベルを高め、開放型経済の新たな枠組みを築く必要がある。
対外貿易の安定した発展を維持する。われわれは内需の拡大を強調しているが、わが国の経済発展における外需の重要な役割を軽視してはならない。対外貿易政策の基本的安定を保つ必要がある。輸出税還付政策を安定させ、貿易金融と信用保険を拡大し、税関・品質検査・外国為替などにおける監督管理と業務形態を改善して、企業が受注不足やコストの上昇、貿易摩擦の増加などさまざまな困難や圧力を乗り越えられるよう支援する。対外貿易の発展パターンの転換を加速する必要もある。科学技術による貿易振興戦略や、「品質で勝負する」戦略、市場の多元化戦略をさらに推し進め、企業が独自のブランドや、販売網、研究開発拠点を築けるようサポートするとともに、加工貿易が産業リンケージのハイエンド製品への転換を達成するようにサポートし、その拠点が中・西部地区へ移転するよう導く。アメリカ・日本・ヨーロッパなどの在来市場をしっかり維持しつつ、新興市場を開拓する。労働集約型製品の輸出を安定させ、ハイテク製品と高付加価値製品の輸出を拡大する一方、エネルギー消費が過大で、深刻な汚染をもたらしている製品の輸出を規制する。サービス貿易を大いに発展させ、アウトソーシング事業を積極的に進める。輸入強化と貿易均衡化促進についての指針を策定し、輸入政策を充実させるとともに、輸入促進のためのさまざまな仕組みを築き上げ、輸出入の均衡化をはかる。
外資利用の質的向上を図る。外資を積極的かつ効果的に利用する方針を堅持し、構造の適正化と質の向上によりいっそう力を入れる。このたび修正された外商投資産業指導目録の内容を実行に移して、先進的製造業やハイテク産業、省エネ・環境保護産業、現代的サービス業、そして中・西部地区により多くの外資が投じられるようにする。
「海外に出ていく」戦略を実施する。わが国は対外投資が急速に伸びる重要な段階に差し掛かっているため、マクロの指導を強化し、政策面からの支援に力を入れ、審査・認可の手続きを簡素化し、サービス面の保障を充実させる。各種所有制企業が海外でエネルギー・原材料・農業・製造業・サービス業・インフラなどの分野への投資における提携と国際的合併・買収を秩序よく進めるよう導く。海外の経済貿易協力区域の発展モデルの刷新に努め、「海外に出ていく」企業同士が力を合わせてともに発展できるようサポートする。国内に居住する個人の海外投資に関する規制を緩和する。対外投資に対するリスク管理を強化し、海外の中国企業の人員と資産の安全を守る。
世界経済ガバナンスと地域的協力に参加する。先進国との安定した経済貿易関係を維持するよう努めるとともに、発展途上国との互恵協力を全面的に深化させる。自由貿易地域(FTA)の整備と地域経済一体化の取り組みを引き続き推し進める。G20をはじめとする世界経済ガバナンスの枠組みづくりに積極的に加わり、マクロ経済政策における主要先進国との協調を強化するとともに、各種の保護貿易主義に反対する。そして、ドーハ・ラウンド交渉や国際金融システムの改革において今後も建設的な役割を果たしていく。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年3月5日