中米には「相互信頼のマイナス状態」を解消する知恵がある

中米には「相互信頼のマイナス状態」を解消する知恵がある。

タグ: 中米戦略・経済対話

発信時間: 2012-05-07 15:50:43 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

第4回中米戦略・経済対話が実り豊かな成果を上げたことは、双方の発表した具体的成果のリストや成果に関する説明から明白だ。こうした成果が広範で、二国間問題だけでなく、それ以上に地域や世界の問題にも及んでいることは、両国が地域やグローバルな試練への対応において確実に利益や責任を共有していることを物語っている。近年両国はたゆまぬ対話と協力を通じて「両国は和やかな付き合い、平和的競争、利益共有という新しいタイプの大国間関係を築かなければならない」との重要な共通認識を形成した。この共通認識は具体的成果よりも重要で、計り知れない意義を持つ大きな成果だ。(文:陶文ジャオ・中国社会科学院名誉学部委員。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)

40年前のニクソン訪中、特に関係正常化以降、中米はこうした新しいタイプの多国間関係の探求を実際に始めた。この道程は順風満帆とはいかず、困難、曲折、起伏を何度も経てきたが、全体的に言えば両国関係は前向きに発展し続けてきた。中国は現在の国際体制の中で経済成長を実現したのであり、中国にとって相対的に安定した中米関係は利益だし、米国にとっても中国の発展は利益だ。両国は互いに相手国を包含し合い、相互依存を深め続けている。ではなぜ今、新しいタイプの大国間関係の構築という問題を提起する必要があるのか?なぜ今、両国間の相互信頼不足という問題がこれほど際立っているのか?筆者は2つの理由があると考える。

まず米国は現在、一連の政治、経済、社会問題に直面しており、「米国は衰退したのか?」との疑問が国内外で上がっている。一方で中国は世界貿易機関(WTO)加盟後の10年間が経済成長の黄金期となった。さらに世界金融危機によって中国は世界の舞台の中心に押し上げられた。中国の発展は速すぎて、中国自身十分な準備ができていないし、諸外国はなおさらだ。このため急速な変化への不適応が生じている。中国自身余り適応できていないし、諸外国はなおさらだ。米国の変化と中国の発展が同時に起きて、鮮明なコントラストをなしている。外国では、あと何年かすれば中国のGDPは米国を追い抜くといった類の予測もまた聞かれるようになった。このため米国は「中国は米国の世界における地位、特にアジアにおける地位に挑戦しようとしているのか?」と急速に懸念を募らせている。

この結果、おかしな現象が生じている。両国の共通利益は増加を、協力分野は拡大を続けているのに、両国間の相互信頼はこれに伴い深まるどころか、巨大なマイナス状態すら呈しているのだ。しかも国際関係の歴史を見ると大国の台頭は往々にして対立、衝突、さらには戦争を伴ってきたため、中米両国もこうした「大国政治の悲劇」を免れ得ないと考える人が両国共に存在する。

だが時代は変わったのだ。21世紀に入って、グローバル化時代の国際関係は以前にはなかった中身や特徴を備え、国家間関係に深い変化を生じさせつつある。バイデン副大統領は昨年の訪中後にニューヨーク・タイムズ紙(電子版)に「中国の台頭は米国の衰亡にあらず」と題する論文を寄稿した。オバマ大統領や他の米政府要人も似た見解を繰り返し表明しており、中国と中米関係に対する本流の見解となりつつある。中米両国にはすでに30潤オ40年間の利益共有の歴史がある。両国の政治家と人民には、両国関係が伝統的な大国間の衝突・対立のロジックから抜け出し、新しいタイプの大国間関係の道を歩み出すようにするのに十分な政治的知恵がある。

知るは易く行うは難し。実務的行動によって対話の各具体的成果をしっかりと実行して初めて、「相互信頼のマイナス状態」を一歩一歩解消することができる。

第4回中米戦略・経済対話の閉幕後すぐに、梁光烈国防相が公式訪米を開始した。中国国防相の訪米は9年ぶりだ。両国関係にとって両軍関係は比較的弱い部分だ。今回の訪問は両軍交流の推進、新しいタイプの大国間関係の構築、アジア太平洋情勢の安定にプラスの役割を果たすに違いない。

「人民網日本語版」2012年5月7日

iphoneでもチャイナネット!

日本人フルタイムスタッフ募集
「中国網日本語版(チャイナネット)」の記事の無断転用を禁じます。問い合わせはzy@china.org.cnまで

コメント

コメント数:0最新コメント

コメントはまだありません。