戴秉国国務委員は15日、中国人民対外友好協会・第10回全国理事会会議での式辞で「巨大かつ急速に発展している中国は外国との関係を処理するにあたって傲慢にならず、謙虚さと慎重さを保たなければならない。だが謙虚で慎重であることは、フィリピンなど他国の侮りを許すということではない」と述べた。中国日報(電子版)が伝えた。
戴氏は「21世紀の今、過去と比べて多大な変化が生じている。各国が相互依存し、利益の交流がより深まり、広範になる地球村の時代だ。中国もますます世界から切り離せなくなっている。覇権の道を歩むことはなおさらにできない。われわれは引き続き平和的発展の道を揺るがず歩み、世界各国と政治面の相互尊重、経済面の相互利益、文化面の相互交流・参考を真に実現していく」と表明。
さらに「わが国は巨大なうえ、急速な発展過程にある。他国を恐れさせてはならない。謙虚さと慎重さが特に重要だ。発展し、強大になるほど、謙虚でなければならない。われわれには成し遂げた成果に誇りを抱くだけの理由があるが、傲慢であってはならない。小国・貧困国に対しても、大国・富裕国に対しても傲慢であってはならない。中国は常に自らの落差に目を向け、他国の長所や経験を研究し、学習し、批評し、参考にするよう心がけ、それによって自らを完全なものにすると同時に、世界の平和と発展にできる限り貢献しなければならない」と指摘。「謙虚で慎重であることは他国に侮らせることでは断じてない。フィリピンなど小国も大国を侮ってはならない」と強調した。
4月10日にフィリピン海軍が南中国海の黄岩島(スカボロー礁)近くで中国漁民を拘束しようとして中国の海洋巡視船に制止された。現在も双方は対峙し続けている。黄岩島でフィリピン側が中国漁民を拘束、妨害する事件は1997年以降、平均して年に2-3件起きている。1960年代以降、南沙(英語名スプラトリー)諸島の海面に露出している中国の島や礁、海域が周辺国に占拠、分割され始め、大量の資源が略奪された。これはベトナム、フィリピン、マレーシア、ブルネイなどで、インドネシアも一部海域を占領している。これに中国の大陸部と台湾が加わり、6カ国・7方面が南沙諸島で対峙している。
「人民網日本語版」2012年5月17日