社会科学院は29日、2012年版の「米国青書」発表会を行い、「米国問題研究報告(2012)」を発表した。それによると金融危機に後押しされる形で、中米両国の実力差に重大な変化が起きつつあり、中米関係にも新たな転機が訪れるという。
清華大学中米関係研究センターの孫哲教授は、黄岩島問題について「馬暁天副総参謀長の最近の談話や中国側の南中国海の軍事演習から判断できる」と指摘。「中国軍当局は中央の政策を一貫して貫いている。つまり、やむを得ない場合以外、武力に訴えることはない。ただ、中国側はシャングリラ対話(アジア安全保障会議)に積極的に参加する必要があるにもかかわらず、実際にはこうした対話に対する中国側の重視の度合いはまだ不足している」と述べた。
また中国とフィリピンの黄岩島問題について、「各方面の態度をみると実際には日本とインドだけがわりと積極的で、ベトナムなど他の東南アジア諸国連合(ASEAN)は中国経済に対する依存性に妨げられ、基本的には中立の態度を取っている」とし、「しかし中国側はASEANのこうした外交政策に過度に頼ることなく、各国との対話に積極的に参加するなどより実際的な行動を取る必要がある」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年5月30日