「世界平和フォーラム」開幕式で式辞を述べる習近平国家副主席

　習近平国家副主席は7日、北京市内で行われた「世界平和フォーラム」開幕式に出席し、「連携協力して世界の平和と安全を共同で守る」と題して式辞を述べた。

　習副主席は「『世界平和フォーラム』は中国が開催する初のハイレベル非政府国際安全保障フォーラムだ。そのテーマ『各国の共栄：平和、安全、協力』は現代世界の前途や命運と各国人民の幸福や平安、健康に関わる重大な課題であり、これについて踏み込んで検討、交流することは世界の平和と安全の促進に新たな構想を提供し、新たな方法を探り、新たな貢献をすることになる」と述べた。

　また「世界は現在大発展、大変革、大調整の時期にあり、国際情勢に極めて深く複雑な変化が生じている。時代の基調は依然平和と発展だ。国際社会は一段と複雑で多様な安全保障上の試練にも直面しており、世界平和の維持、共通安全保障の促進は依然として任重くして道遠しだ」と指摘した。

　さらに「今日の世界では制度、類型、発展段階の異なる国々の利益が融合し、相互依存が日に日に緊密化している。各国は利益だけでなく安危も共にしている。こうした新たな状況の下、安全保障の中味は冷戦時代と対峙と均衡の安全保障を遥かに超え、伝統的な意味での軍事的安全保障も超え、さらに一国、一地域の安全保障も超えている。安全保障上の複雑で多様な試練を前に、どの国も身を局外に置いて自国のことのみ考えることは難しいし、単独でいわゆる絶対的な安全を実現することも不可能だ。各国は協力の度量、革新の精神、責任ある姿勢を堅持し、共に困難を乗り越え、協力共栄を図り、各種の問題や試練に共同で対処し、調和のある安定した国際・地域安全保障環境を連携して築かなければならない」と指摘。このために恪守すべき理念や原則として以下を挙げた。
　（１）発展による安全保障。経済の発展と繁栄は安全を守るための重要な保障だ。
　（２）平等による安全保障。平等なつきあいは安全を守るための基本的な前提条件だ。
　（３）相互信頼による安全保障。相互信頼の強化は安全を守るための必要条件だ。
　（４）協力による安全保障。対話と協力は安全を守るための根本的なルートだ。
　（５）革新による安全保障。時代の発展の潮流に後れた思想観念や古い方法を断固捨て、相互信頼、相互利益、平等、協力に基づく新たな安全保障観をしっかりと樹立し、総合安全、共同安全、協力安全という新理念を樹立し、古い問題の新たな解決策、新しい問題の良い解決策の模索に努力し、人類の直面する発展上の難題と安全保障上の苦境のたゆまぬ打開を図らなければならない。

　開幕式はフォーラムの唐家セン主席が司会。ペルーのガルシア前大統領も来賓として式辞を述べた。22カ国の専門家、学者、36カ国の外交官など500人近くが出席した。

　「人民網日本語版」2012年7月8日