対潜水艦・対機雷等の基礎能力もまた、中国海軍の弱点となっている。「Asian Military Review」によると、アジア太平洋地域で新たな潜水艦購入ブームが巻き起こっており、過去10年間で中国を除くその他のアジア太平洋各国は、90隻以上の潜水艦を増加した。インドはレンタル、もしくは国産により原子力潜水艦を保有しており、韓国、日本、オーストラリア、パキスタン等も世界先進水準の装備を搭載したディーゼル潜水艦を保有している。ロシアがベトナム向けに建造した6隻の「キロ」型潜水艦の1隻目が、今月サンクトペテルブルクの造船所で進水し、今年中にベトナムに引き渡される見通しだ。英軍事サイト「Chinese Defence Today」もまた、中国海軍には専門的な対潜水艦能力が不足しているとした。早期に就役した駆逐艦・護衛艦は対潜水艦能力を持たず、このほど新たに進水した新型駆逐艦・護衛艦もまた対空・対戦艦に能力が偏っており、静音潜水艦の捕捉に不可欠な高性能ソナーと大型の対潜哨戒機を搭載していない。またアジア各国は米国産のP-3哨戒機を配備しており、インドは先進的なP-8哨戒機を保有している。より効果的な固定翼対潜哨戒機の領域において、中国海軍の遅れが目立つ。
対機雷能力の不足は、中国海軍が直面している深刻な問題だ。中国海軍は先進的な装備により機雷を広範囲に設置し、他国の海岸を封鎖し自国の領海を保護できるが、敵に設置された機雷を取り除く能力が不足している。
中国海軍の3つ目の弱点は、数千年に渡り継承されてきた沿岸防衛の習慣だ。中国の海軍に対する要求は歴史的に、沿岸警備隊の責任範囲を超えたことがなく、主に海賊や密輸の取り締まりを目的としてきた。しかし日増しに拡大する海外貿易を保護するために、中国は遠洋海軍を建設しなければならない。これには遠洋航行能力を持つ作戦艦艇、経験豊富な乗組員の他に、多くの支援艦が必要となる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年8月16日