アメリカ国防総省先進研究プロジェクト局はこのほど、改良型の無人偵察機RQ-4「グローバルホーク」(計2機)の近距離編隊飛行テストを完了した。同無人機同士の空中給油技術が成功し、連続飛行時間がこれまでの41時間から160時間以上に延長された。
1960年代のベトナム戦争で初めて投入された無人機は、当初の「囮用途」から「多目的機」に発展し、偵察、巡視、電磁波攻撃、精密爆撃、自軍の被害の調査等、多様化された任務をこなすようになった。しかしその連続飛行時間には限りがあり、長距離偵察・攻撃の主力部隊ではなかった。空中給油技術の画期的な進展により、無人機は全世界で作戦を繰り広げることが可能となり、米軍の偵察・作戦範囲を広げ、米軍の遠距離空中攻撃能力を大幅に増強した。これは世界中の利益を把握している米国にとって、重要な戦略的意義を持つことは間違いない。
戦争の形態について言えば、情報化戦争が発展の方向として定められており、情報は戦闘力を構成する第一の要素となる。ゆえに米軍は、全世界における感知力の強化を、軍事モデルチェンジの重要な目標としている。空中給油を実現した無人機の作戦範囲は大幅に拡大され、「気候条件による制限を受けにくい」、「昼夜を分かたず航行可能」、「危険区域内で長期的な情報偵察を実行できる」という無人機の特長を、いかんなく発揮することが可能だ。米軍は将来的な戦争で、これまで以上に情報面の優勢を占めることになる。