第3に、日本が対中関係において過度に米国に依存し、長期的な対中関係を定めるの回避または遅らせることは、中国と長期的関係を築く戦略的機会を失うのみならず、米国の信頼も失う恐れがある。日本はいわゆる中国の台頭がもたらす試練に対応するため、過去10年間主として日米同盟の強化、自由国家同盟の構築、ユーラシアの「自由と繁栄の弧」の構築などに取り組んできた。こうした外交行為の着眼点はつまるところ、いずれも中国なのだが、まさに対中外交の長期的戦略だけが欠けていた。日本のこうした外交手法は短期的にはいわゆる「安心感」をいくらかもたらす可能性があるが、中日関係の長期的ビジョンをどう位置づけるかという戦略的問題をいつまでも回避することは不可能だ。これと対照的に、中米関係は新しいタイプの大国間関係の構築という明確な長期的ビジョン・目標に向けて邁進している。消極的な回避姿勢を続ければ、日本は急激に変化する大国間関係の中で自らを孤立させるだけだ。
こざかしく立ち回り、対中圧力を米国に促して短期的な戦術的利益を追求すれば、日本は重大な戦略的誤りを犯すことになる。その場合、日本が損失するのは中日関係だけではない。「窮地」を真に脱するためには、日本は誠意を示し、実際の行動に移す必要がある。
「人民網日本語版」2012年10月19日