西太平洋海域で定期的な遠洋訓練を実施する中国海軍艦艇編隊が宮古海峡と与那国島周辺の公海を通過したことが、日本の政治家とメディアを騒がせた。近年、中国海軍艦艇が遠洋訓練のような任務を執行するたびに、日本国内からあれこれと口出しし、世間の関心を引き起こそうとする物好きな人が現れる。彼らが中国海軍の正常かつ合法的な訓練や航行活動に対してこれほど敏感なのはどうしてだろうか。その気持ちと動機は深く考えさせられるものだ。
広大な領海を有し、海軍の建設を強化する中国が遠洋訓練を実施することは、国の海洋安全保障のために必要なことである。早くも1986年に、中国海軍は艦艇編隊を西太平洋海域に派遣し、共同作戦訓練を実施した。近年は遠く離れたアデン湾・ソマリア沖でも巡視と護衛を行っている。軍隊が担う任務の拡大に伴い、遠洋訓練は中国海軍の正常な訓練項目となった。海軍兵士に海上で荒波と闘う多くの機会を与えることで、国の安全と世界平和を守る強大な海軍を建設することができる。
広大な西太平洋はアジア太平洋地域の多くの国の海軍が訓練を行う場所で、中国も例外ではない。宮古海峡や大隈海峡は中国海軍が西太平洋に向かう際に必ず通る道であり、海軍艦艇が同水域を通過して西太平洋で訓練を行うことは、『海洋法に関する国際連合条約』及びその他の国際法に合致し、関連の国際行動にも合致する。日本側が中国海軍の正当かつ合法的な航行活動をあれこれ批判し、いいがかりをつけるのは、ただの被害妄想で故意に問題を起こす行為である。
中には、中国側が「危機管理体制」に背き、日本側に事前報告しなかったと非難する日本メディアもある。中日両国の防衛部門の間に「危機管理体制」はできておらず、いわゆる「中国側の艦艇が日本近海の海峡を通過する際に日本側に事前報告する」という共通認識もない。国際法の角度からも両国関係の角度からも、中国側には関連海域を自由に航行する権利があり、日本側に航行状況を報告する義務はない。