第18回党大会報告は「中国は引き続き平和、発展、協力、ウィンウィンの旗を高々と掲げる」と指摘し、「ウィンウィン」の重要性と必要性を際立たせた。これは新たな情勢下の中国の外交活動に重要かつ計り知れない影響を与える。
「ウィンウィン」は中国の長年の外交実践の総括、精錬、昇華である。改革開放によって、中国と外の世界が互恵協力を展開するための表門が全面的に開かれた。2001年の世界貿易機関(WTO)加盟は中国が世界に全面的に融け込んだ一里塚である。第16回党大会以来、中国は互恵・ウィンウィンの精神に基づき、対外友好協力を全方位的に推し進め、世界との相互依存や利益の融合を日増しに深めて、自らの発展に良好な外部環境を築くとともに、世界の繁栄と安定にも重要な貢献を果たした。2001-2011年に中国は年平均7500億ドルの商品を輸入した。これは関係国・地域に1400万人余りの雇用を創出したに等しい。2009年末までに中国の対外援助額は累計2500億元に達した。世界金融危機が発生すると、中国は自国の事をしっかりと行うと同時に、危機対策の国際協力に積極的に参画し、苦境に陥った国に援助の手を差し伸べた。
「ウィンウィン」は豊かな思想を含み、国際関係の各方面に適用される。経済面では共通利益のパイを大きくして、共同発展・繁栄を実現することを強調する。政治面では共に困難を乗り越えて、権限と責任を共に担い、人類共通の利益を増進することを提唱する。安全保障面では共通の安全保障、集団的安全保障、協調的安全保障を提唱し、絶対的安全保障や一方的安全保障に反対する。文化面では文明の多様性と発展路線の多様化を尊重して、異なる文明間の相互交流や相互参考を促進することを主張する。
「ウィンウィン」は時代的特徴を鮮明に備える。人類は一つの運命共同体となりつつある。各国はグローバル化と情報化のもたらす便宜を享受すると同時に、食糧安全保障、エネルギー資源安全保障、ネットワーク・セキュリティなど様々な世界的問題のもたらす共通の試練にも直面している。「あなたの中に私がいて、私の中にもあなたがいる」は、現代の世界を生き生きと描写する言葉だ。ゼロサムゲームや強権政治は自他共に害するとの認識を各国は深めている。自国の利益を追求する際に他国の理にかなった懸念にも配慮し、自国の発展を図る中で各国の共同発展に資して初めて、世界の長期的な安定・平和を真に実現することができる。
「ウィンウィン」は溝や摩擦の存在を否定するという意味ではなく、効果的な意志疎通と調整を通じて信頼を強化し、小異を残して大同につくことで問題や摩擦を効果的に取り除くことを提唱し、災いや困難を他国に押しつけたり、他国を損なって自国を利することに反対する。
平和、発展、協力、ウィンウィンの旗を高々と掲げて、中国外交の中身は一段と豊富になり、構造は一段と広くなり、必ずや世界の平和と発展に一層の貢献を果たすだろう。
「人民網日本語版」2012年11月28日