「中国海軍艦隊が宮古海峡を通過し、訓練のため西太平洋に入った」--。28日午前11時44分、新華網は異例の速さで国内外メディアに発表した。その数時間後、呉勝利海軍司令官(中央軍事委員)がメイバス米海軍長官と会談し、中国初の空母「遼寧」の試験航行の状況について自ら説明した。(文:李傑・海軍軍事学術研究所研究員。環球時報掲載)
中国海軍の大きな出来事をこのようにタイムリーに、素早く伝えたことで、世界の人々に強烈なメッセージが発せられた。第1に、責任ある、影響力ある大国の海軍として、中国海軍は今後の行動の定例化、常態化、透明化を強める。第2に、中国海軍は対外交流を一段と重視し、より開かれた姿勢で、他国の海軍との相互理解・信頼を強化し、誤解や誤った判断を回避することを望む。
長期間かけて中国海軍が列島線突破の頻度と艦艇数を増やし続け、中距離海域での訓練・演習の内容を増やし、取り組みを強化してきたことは隠し立てするに及ばない。だが一部周辺国を「刺激」して、いわれなき「脅威論」の理由を与えないため、われわれは控え目に処理し、公表しない方針をとってきた。訓練・演習の後に発表するのが通常だった。だがわれわれの善意と親切心は往々にして曲解された。事態を誇張し、デマで人々を惑わし、事実を顧みずにわが艦隊の行動の意図と訓練内容をでっち上げたり、各種の偵察用の艦艇や航空機を派遣してわれわれの正常な訓練・演習活動に対して「非友好的な」継続的偵察・追跡を行う極少数の物好きが常にいた。
しかし今回、われわれはほぼすぐに、国際慣例に基づいてわれわれの海上訓練・演習の状況を外部に示したうえ、われわれの的確な訓練内容についても「対外公表」した。こうした行動は現在の中国海軍の外部との成熟した、自信のあるつきあいへの誠意、そして徐々に高まる実力を十分に物語っている。