フィリピンを訪問中の岸田文雄外相(右)に話しかけるフィリピンのデルロサリオ外相(=マニラで10日)
日本の岸田文雄外相は10日、フィリピンの首都に到着した。就任後の初外遊となる。フィリピンのデルロサリオ外相と会談し、海洋の安全保障分野での協力を強化することで一致した。日本のメディアは、両国の協力強化は海洋の影響力を拡大する中国に連携して対応する狙いがあると伝えた。
◇日本、フィリピンに巡視船供与
この日は岸田外相のアジア太平洋4カ国歴訪の初日。日本のメディアは、フィリピンは南中国海の黄岩島(スカボロー礁)の領有権を中国と争っていると特記。
岸田外相とデルロサリオ外相の会談では、海洋の安全保障問題が重点となった。日本のメディアによると、岸田外相は会談で「日本はフィリピンと戦略的パートナーシップを強化し、アジア太平洋地域の安全と繁栄に向けて協力することが必要」と述べ、フィリピンの海岸警備力強化を引き続き支援していくと約束した。
会談では、フィリピンへの巡視船供与についても具体的に話し合った。ロサリオ外相は「巡視船の問題を真剣に議論した。日本は人員研修などでフィリピン海岸警備隊の戦力強化を支援する」と述べた。日本はさらに、海上通信システムの整備もサポートする見通し。ロサリオ外相は「フィリピンは海上安全保障や貿易などの面で日本との協力強化を望んでいる」と話した。