物わかりが悪いわけではないがそのふりをしている者も、「中国強硬論」および各種の「中国脅威論」を誇張することによるメリットはとっくになくなったということを、はっきりと理解してもらいたい。それらに対して中国はとっくに敏感ではなくなっている。われわれは慣れてしまった。その中に水増しやバブルがどれほどあるかを知っている。中国の「戦略の不動の精神力」はどんどん強まっている。
国際的発言力が中国の手中にない今、西側世論には中国の台頭に対して様々な感情が溢れ、それらをできるだけ拡大している。中国はこうした感情を和らげるべくできる限りのことをしたいと思っている。だが西側世論に変更を強要することはないし、中国周辺に特定の雰囲気を醸成するために苦々しい果実を呑み込むこともあり得ない。
ここ2年間の中日摩擦、中比摩擦を引き起こしたのはいずれも中国側ではない。日本が釣魚島(日本名・尖閣諸島)の「国有化」をせず、フィリピンが軍艦を派遣して黄岩島(スカボロー礁)に停泊する中国漁民を追い払わなければ、どちらも危機は勃発しなかった。中国は東アジア地域最大のパワーであり、「係争を棚上げして、共同開発」の主たる提唱者でもある。他の国が自ら中国を挑発したり、争いを激化させたりさえしなければ、彼らと中国との間に大きな問題は生じ得ない。彼らが挑発しておきながら、中国に「強硬になるな」と常に期待するというのなら、それは難しい話だ。
中国が「戦略上の強硬」を国策にすることはあり得ない。さもなくば、アジアはとっくに今日のようではなくなっている。13億の人口を擁する大国の均衡と穏健に対する理解と追求を、外国がわがことのように感じるのは難しいのかも知れない。一部の者は「群盲象をなでる」式に中国を理解しようとし、彼らがピックアップした1つの言葉や動作が中国の全てだと考えている。
中国は将来本当に強硬になる可能性を排除していない。これは外部勢力がその挑発によって中国に強硬姿勢を余儀なくさせるか否か次第だ。一部の国や勢力は過去において、余りにも中国を利益から排除し過ぎた。彼らは中国の示す越えてはならない一線を、改めてはっきりと読み取る必要がある。
現実主義的姿勢で中国と付き合いさえすれば、彼らは中国というグローバルな戦略パワーが善良かつ寛大でもあることに気づくだろう。いわゆる「超大国」がアジアに出現することが決まっているとすれば、幸いなことにそれは中国だ。
「人民網日本語版」2013年1月31日