太平洋のポンペイ島、旧埠頭より一本の道路が内陸の林に向かう。道路沿いには住居、スーパー、CD・ドリンク・スカートを販売する商店、2軒の現代的な鉄筋コンクリート造りの建造物が建ち並ぶ。これらはすべて、中国の資金援助を受けて建てられたものだ。
中国は1989年、ミクロネシア連邦のポンペイ州と外交関係を結んだ。中国はその後ミクロネシアに対して、建築・経済・技術提携に充てる8000万ドルの資金を提供した。しかし資金援助に伴う中国の影響力の強化は、現地で懸念を引き起こした。
ポンペイ島はグアムとハワイの間に位置する。中国はポンペイ島に対して領有権を主張していないが、政府の新たな友人と手を結ぼうとした。ミクロネシアの大統領事務所主任は、「中国人は現地の政治問題に介入し、政治の舞台に影響を与えようとしている。これは警戒すべきことだ」と述べた。
米国は太平洋中部に対して懸念を残している。中国が遠洋海軍(2隻以上の原子力空母および補助となる戦艦を含む)の建設に力を注ぎ、より多くの原子力潜水艦・遠距離戦闘機を配備していることが、その一因となっている。ミクロネシアの島嶼は、同地域で活動する中国貨物船の給油・中継輸送センターとなった。理論的には、類似する施設は中国海監の船舶、(最終的には)海軍の艦隊を受け入れることが可能だ。
駐ミクロネシア中国大使の張衛東氏は、「ミクロネシアと中国は国際舞台において平等な立場にある。中国が同国の建設・発展に参与するのは、『困難な朋友を援助する』という願いのためにすぎない。中国は過去23年間で、約40件のプロジェクトを支援した」と述べた。
米戦略国際問題研究所(CSIS)のアナリストは、「中国は地域全体の資源獲得に取り組んでおり、この措置は驚くべきことではない。太平洋は広く、すべての人を受け入れることができる」と語った。ミクロネシアにおいて、中国が米・日・豪に代わる支援国になることを願う人はいないが、中国がもたらす現金は歓迎されている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年2月19日