中国全国政治協商会議(全国政協)委員、国家測量製図局副局長の李明徳氏は8日、「時機を見計らって釣魚島(日本名・尖閣諸島)に測量隊を派遣し、測量標識を設置する」と表明。「釣魚島がもっとはっきり見えるようにする」と語った。京華時報が報じた。
李氏によると、昨年9月に発行された釣魚島の地図は、航空宇宙分野の手法を応用して実測したもの。釣魚島の立体的な起伏がすべて確認でき、付属諸島の地名もすでに命名済みだという。「現在公開されている釣魚島の地図データは主に無人機や衛星で収集したもの。今後は測量のやり直しではなく、精度を高めて周辺の付属島しょまで測量する」と李氏。
2009年に立ち上がった国家海洋島(礁)測量プロジェクトは、国家測量製図地理情報局を中心に、中国人民解放軍参謀本部関連局、国家海洋局、海軍航海保証部が参加。第2期プロジェクトは、釣魚島海域全体が対象範囲となっている。
測量に当たり釣魚島に向かうどうかについて、李氏は「われわれの領土だから、あり得る。今後は測量隊を派遣するほか、島に測量標識も設置する」と可能性を示唆。「衛星による測位には、地上制御点が必要となる。この制御点は中国の座標システムの一部」と説明した。
李氏によると、中国はまだ釣魚島に正確な測量点がなく、現在のデータは推測したもの。測量標識ができれば、釣魚島の地理データの精度が高まるほか、周辺海域の地形も明らかになるという。
李氏は、第2期の測量では南中国海の島と岩礁の探測を検討していると明らかにした。「以前は1つの点でしかなく、水深など細部が分からなかった。今後は海上、海中の状況がともに明らかになり、より正確な測量・製図が可能となる」。
「人民網日本語版」2013年3月9日