「さらば、鉄道部!」--。国内外のウェブサイト上で現在、この言葉が広まっている。
10日明らかにされた新しい国務院機構改革・機能転換計画は多くの機関の調整・整理統合に関わる内容だった。中でも最も注目されたのが鉄道部(鉄道省)がどうなるかだ。共和国と同い年の「鉄道のボス」が間もなく歴史の舞台から姿を消すことは、今回の改革がより力強く、より広範囲かつ深いレベルで国務院機構の機能転換を加速するものであることを意味している。(文:楊凱・本紙編集者。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
歴史的に見ると、新中国の成立から60年余りの間、何度も調整はあったものの、鉄道部は常に中国人の交通と緊密に関わり、国家建設に大きな貢献を果たしてきた。近年も中国の鉄道は著しく発展し、「スカイウェイ」「高速鉄道」といったセールスポイントも得た。だが改革の一層の深化に伴い、鉄道部の「政経癒着」問題が顕在化し、利益の固定化が改革の障害となってきていた。政経分離と機能転換によって政府機構がより効率的に社会に貢献できるようにすること。これが今回の機構改革で鉄道部を解体する根本的目的だ。鉄道部以外にも、今回の改革で国務院は再度「スリム化」する。省庁統廃合によってクリーンで効率的なサービス型政府の誕生が促されると信じるに足る理由がある。
第18回党大会は行政体制改革の深化を明確に指示した。この党中央の計画に基づき、踏み込んだ調査研究と広範な意見聴取を経て、比較論証を重ねた結果まとめられた今回の改革計画は「新指導部はさらに大きな政治的勇気と知恵を出して、様々な障害に向き合い、改革の難題を解決する」との明確なメッセージを再び発した。
理論的にはいかなる制度設計または機構の設立も、その時代の問題を解決するためのものであり、合理性と必然性を備えている。また、こうした制度は時代の変化に伴い発展・変化するのが必然だ。ただ、それぞれの歴史的境目において既存の制度が自ら進んで「引退する」ことはなく、その反対に常に残存する力を揮おうとするのが常だ。例えば漢代の官吏任用における推挙科目「孝廉」も、最初は貴族政治の独占を突破して、政府と社会の双方向性実現のルートとなったが、次第に新たな門閥新貴族を生み出し、社会の活力を長期間阻害した。システムに活力を与えるはずの制度が次第に機能しなくなってもなお存続し、自己改革の力もなく、システムの健全な運用に影響を与えたのだ。これは一種の「制 度的惰性」と見なすことができる。こうした惰性は中国にも西側にもある。欧州の福祉国家の制度設計は長い間称賛されてきたが、欧州債務危機に直面して、高福祉のもたらす多くの問題を直視し、改革を急がなければならなくなった。