さらに重要な点は、中国の「三国」における役目が大きく変化したことである。中国は実力を強め、総合国力、国民総生産(GNP)、外貨準備、貿易の規模などの非柔軟的な指標にしても、国際イメージや国際影響力などの柔軟的な要因にしてもロシアを上回っている。中国の行動は世界構造の動きに大きく影響し、その戦略的役割も「バランスの調整役」から「構築役」に変わるべきである。
ロシアの戦略学者は、現在、ロシアは史上初の戦略的チャンスの時期を迎え、各方面がロシアを頼りにしていることは、ロシア自身の戦略的位置づけを表していると分析。中国にとって、中ロ関係の引き上げは米国のアジア太平洋リバランスへの対応であり、中ロ関係の適切な対処は中米関係の健全な発展を促す。中ロは本当の意味での新しい形の大国関係を構築し、利益の共存を高め、さらに包括的な協力関係を形成する必要がある。
要するに、中米ロの「新三角形」の確立は世界構造の多極化の成果であり、新しい情勢下における大国関係の表れでもある。米ロの協力強化は欧州を安定させると同時に、世界の核軍縮の本格的実施も促すことができる。中米の全面的、建設的な協力関係の拡張はアジア太平洋の平和的発展を促進し、世界経済や環境、気候などの世界的な問題の解決にも繋がる。中米ロの「新三角形」が健全な発展を遂げれば、大国関係の新構造を切り開くばかりでなく、今後の国際体制の重要な基盤を固めることもできると言える。平和と発展の時代は今日の中米ロによる「新三角形」を作り出し、このような形の大国関係はさらに建設的に世界を変えるだろう。私たちはこのような望みが現実になると期待してよい。(文:李明波)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年3月25日