2年に一度実施される環太平洋演習(リムパック)の大規模な軍事演習はかつて、米国がアジア太平洋の盟友を抱き込み、中露対抗の戦術をオーダーメイドする絶好のチャンスとされていた。しかし米国は近年、中露に「平和の手」を差し伸べている。ロシアが昨年軍事演習に参加したことに続き、米軍はこのほど、中国が2014年度のリムパックに参加することに同意したと表明した。
米国が中国軍を軍事演習に招待した目的について、軍事アナリストの魏東旭氏は、「米国はアジア太平洋回帰戦略を推進中で、日増しに力をつける中国海軍と交流する機会も増加することになる。米国は中国海軍という、アジア太平洋地域で重要な地位を占める力を理解しようと焦っている。リムパックという場を利用し、米海軍は中国海軍の戦闘力と兵士の能力について、より深く認識することが可能だ」と分析した。
魏氏は中国側が軍事演習の参加に同意した原因について、「中国海軍はこの参加により、米国から遠洋における航行と軍事力配備の経験を汲み取り、さらに自国の勢力と近年の海軍装備現代化建設の成果を示すことができる。当然ながら、中国海軍は自国の戦略的意図を表明し、必要のない誤解を防ぐこともできる」と指摘した。
魏氏は、「米国は中国を依然として警戒しているため、リムパックに初参加する中国海軍は、共同作戦など技術的難易度の高い項目への参加を許されないだろう。中国海軍は米国およびその他の国家と、人道主義支援・災害救助の合同演習や海賊撲滅の演習に参加し、またシンプルな艦隊・通信訓練などに参加する可能性がある」と予想した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年3月26日