美済礁を巡回する中国海軍の南海艦隊
わが国が海洋権益を主張する海域は300万平方キロメートル以上に及び、その半分以上が周辺国と係争を抱える。海洋紛争のエスカレート傾向は明らかであり、主権や権益の維持・法執行任務は極めて困難で複雑だ。海洋権益問題においてわれわれは今後、以下の点に力を入れなければならない。
第1に、筋道を通して堂々たる姿勢で海洋問題での中国の核心的利益を堅持する。2011年に中国政府の発表した『中国の平和的発展』白書は国家主権、領土保全、国家の安全保障を核心的利益として明確に定めた。中国が南中国海問題で核心的利益を語るのは何ら人前ではばかることではなく、ためらう必要はなく、わが方の立場を堂々と明らかにすべきなのだ。
第2に、わが国の島嶼領有権および海洋権益を二の足を踏むことなく守る。このほどベトナムは中国海軍がベトナム漁船を「銃撃した」と誣告し、やかましく騒いでいる。中国側は速やかに事実を明らかにしたうえ、「わが国の西沙海域に進入して不法操業していたベトナム漁船に対するわが方の排除行動は必要かつ正当なものだ」と声明した。中国の主権と海洋権益を侵害する行為に対して、中国が相手側の抗議、邪魔、デマ、もめ事に遠慮することはあり得ず、違法行為は必ず追及し、厳しく取締り、新たな慣例をつくり、関係国を適応させ、懲罰を免れるという正常でない事を正常と見なし、不法行為を合法的行為と見なすはことはもうできぬようにし、相手国の挑発と権益侵害が引き合わぬようにし、最終的には軽はずみな行動をする勇気をなくすようにするのだ。
第3に、対話による係争の解決と協力共栄の環境作りを粘り強く図り続ける。弁証法的観点と長期的効果から見て、わが国が海上権益と安定の維持において2つの立場を使い分けることは決して矛盾しない。声が大きければ理に適っているというものではない。わが国が南中国海と東中国海で国内法と国際法に基づき主権維持・法執行活動を行い、これを基礎に、引き続き対話による係争の平和的解決という立場を堅持することは、知恵比べ肝比べであり、意地を張っているのではない。もちろん、かたくななライバルや政治屋に対して、冷遇すべき時は親しくするわけにいかない。同時に、係争を一定範囲内に制限し、引き続き相応しい時期を利用して二国間関係の紐帯を積極的に築き、地域の統合プロセスを促進し、わが国にとって全体的に有利な大環境を築くのだ。
「人民網日本語版」2013年3月28日