南中国海の係争も深刻化を続けており、駆け引きが複雑化している。2010年に米国が東南アジア回帰を高々と宣言すると、南中国海の安定情勢が打破された。南中国海情勢は現在、複雑かつ深刻な変化が生じており、権益争いから海洋戦略の駆け引きに変化しており、南中国海問題の複雑性、係争の激しさを示している。南中国海周辺の一部の国家の戦略は焦りを増しており、南沙・中沙・西沙の各地で危機が生じる可能性がある。南中国海で大規模な武力衝突が生じる条件はまだ整っていないが、係争・衝突は常態化・長期化に向かっており、摩擦が複数の地点で併発・頻発することになり、これが制御できなければ重大な危機的事態が生じる恐れがある。
海洋権益を巡りさまざまな問題が存在するが、アジア太平洋の多くの国家は共同安全および総合安全の観点を持っており、提携と対話により地域の安全を強化しようとしている。同地域の海上では、かつてなかった安全問題が日増しに表面化しており、海上テロ・海賊・武装グループ、地震・津波・台風などの海洋自然災害が存在し、いかなる国家も一国のみでは対応できず、海上提携の必要性が高まっている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年5月29日