6月30日に行なわれたASEANプラス3外相会議の現場。
東南アジア諸国連合(ASEAN)の一連の外相会議が6月30日、ブルネイの首都バンダルスリブガワンで始まった。3日間の日程で、主にASEAN統合プロセス、ASEANと対話国との協力について話し合う。
昨年のカンボジアでの会議で慣例に反して共同声明を発表できなかった気まずい事態の再発を回避するよう、会議前に各国が懸命に呼びかけたにも関わらず、フィリピンが独断専行に走り、ASEAN全体の利益よりも自国のみの利益を優先し、昨年7月同様の不調和の一幕を再演した。会議現場でフィリピン外務省のプレス向け声明を報道陣に配布したのだ。
中国の王毅外交部長(外相)は同日の記者会見で「ごく一部の領有権主張国が時代の流れに逆行して行動しても、多数の国々の支持を得ることはなく、思い通りになるのは不可能だ」と表明した。本紙記者の取材した人はみな「中国を念頭に置いたフィリピンの一方的な挑発行動によって会議期間に築かれた協力と発展の積極的雰囲気が破壊された」と指摘した。
■フィリピンが不調和の一幕を再演
6月30日午前、フィリピン外務省職員数名が主催側に事前に知らせることなく、突然国際会議センター会場でプレスリリースを配布した。プレスリリースでデルロサリオ外相は南中国海で次第に強まる軍事化への重大な関心を表明。「フィリピンの排他的経済水域(EEZ)内の黄岩島(スカボロー礁)と仁愛礁(アユンギン礁)で増大を続ける軍事的、準軍事的プレゼンスは、海洋の平和と安定に向けた地域の努力にとって脅威だ」「中国の行動は2002年に中国とASEANが調印した『南中国海における関係国の行動宣言』の、各国は自制を保ち、係争の複雑化や拡大を招く行動を取らないとの規定に違反している」と主張した。
早くも会議前から、一部の外国メディアは南中国海問題について大々的な報道を繰り広げていた。フィリピンメディアは同国外相が会議期間に中国に圧力を加えることになると公然とはやし立てた。日本の共同通信は6月29日付記事で「日本外相がブルネイ到着、ASEANと連携して中国牽制へ」との見出しで、岸田文雄外相の訪問の目的の1つが、ASEANと連携して中国を牽制することにあると報じた。