■原料面も技術面も問題なし
安倍氏が原発再稼働を急ぐ理由について、椙山女学園大学客員教授の西園寺一晃氏は「安倍氏の着眼点は主に経済にある。現段階で安倍政権の原子力政策と日本が核兵器を保有するかどうかを結びつける必要はない」と指摘。「原発を再稼働しなければ、石油火力発電が増加する。これは電力価格の上昇を招き、日本経済にとって大きな痛手となる」と分析した。
「日本はまだ原子力から離れられない」と、清華大学現代国際関係研究院の劉江永副院長も同意。「日本にとって原発は輸入に依存しない唯一のエネルギーであり、原発の停止はすでに日本経済と国民生活に大きな制約をもたらしている。また、クリーンエネルギーを発展させ、炭素排出量削減の国際的約束を果たすためにも原発が必要だ」と分析した。
原子力の平和利用が主権国家の権利であることは否定できない。だが報道によると、安倍氏は日本は1週間以内に核兵器を製造できると述べたことがある。これは驚愕だ。
専門家によると核兵器製造には少なくとも3つの大きな関門を突破する必要がある。つまり核分裂原料、製造技術、運搬手段だ。日本にとってこの3つの関門はすでに難題ではない。「核施設、核技術、核材料の面から見て、日本の核武装には何の障害もない」と劉氏は指摘。「日本は現在プルトニウム発電を採用している。これによって生じる核廃棄物を濃縮処理すれば、核兵器製造に使用できる可能性が大きくなる」と説明した。
日本が原発の発展を通じて核兵器の原料を大量に備蓄する可能性を排除するのは難しいと言わざるを得ない。日本の六ヶ所再処理工場では核兵器に転用可能なプルトニウムを年間9トン生産できる。これは核兵器2000発を製造するのに十分な量で、米国に劣らぬ能力だ。
条件は全て揃っているが、ただ実現への後押しを欠いている。劉氏は「核兵器を製造するかどうかは日本の戦略的決断次第だ。決断さえすれば、速やかに核兵器大国になることができると言える」と指摘した。日本の核兵器保有までの距離は、政治決断の距離に過ぎないのだ。